日常

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 しばらく静寂が満ちていた。  誰も話そうとしない雰囲気が嫌で何か大声を張り上げようとした瞬間── 「なぁ……みんな」  三沢が黒板の教卓の前に立って言葉を続けた。 「朝、矢吹には言ったけど今日矢吹の家で遊ばないか? いつまでも゙あの事件"の事を考えても仕方ないだろ?」  三沢はニコッと笑顔になりさらに言葉を続けた。 「悲しい時があったら楽しい事をして忘れようとするのが一番なんだよ」  三沢の言葉には何か重みがあった感じがする。 「……そうだな! 隆也の言う通りだ!」  少し間をおいたが、河村は三沢にピースをして笑顔で言う。 「僕も賛成だよ三沢君」  中田は笑顔ではなかったが頷くように首を振った。 「だな! 隆也の言う通り忘れよう!」  本田は三沢に右手を前に突き出して握り拳を作る。 「そうと決まれば早く俺ん家に行こうぜ! 昨日バイトの給料出たから奢ってやるよ!」  俺がそんな言葉を言うとみんなはすぐさま帰る準備を行い始める。  そして教室を出てみんなで俺の家へと向かう。  俺達はまだ知らなかった──  この選択で後程──“後悔”という物が生じることを。
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