最速の人間、最速の妖怪、最速の━━

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まぁ神様にとっては魔法使いも普通の人間も変わらないのだろうけど━━ 「あ、私は洩矢諏訪子」 遅れて挨拶してきた少女は神様と言うにはだいぶファンキーだ 私はついてきていたはずのにとりを探す 「河童なら家の方だ」 「あら……」 気の抜けた声 空を見上げれば閃光が駆け、魔理沙だけが飛んでいた 「また負けちゃったね」 「経験に差があるからなぁ」 二人の神様は自分の神社の巫女が負けても動じない 「お疲れ様、魔理沙」 「そんなに疲れてないぜ」 経験の差というのは意外にも大きい 才能の差なんかより遥かにだ どれだけ恵まれた才能の持ち主が凡骨に挑んでも、経験次第では凡骨が圧勝してしまう そして、天才とは自信の才能に絶対の信用を置く━━得てしてソレは経験者から見て自殺行為なのだ もちろん、才能はあった方がいい━━結局のところ、生きて帰ってこれて、折れなければ経験は身につくのだから 特に親しい友人が目の前で死ぬのは最高の経験だ━━
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