夏、日照り、竹林にて

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実際のところ全自動なんだから仕方がないなんて思いつつも妹紅の出方を窺う どうも、この館の主━━蓬莱山輝夜と仲が悪いらしく、状態次第では殺し合いを始めるから勘弁してほしい 「ちょっと様子を見ただけだ」 「なら攻撃してこないでください」 「いや……あんまり隙だらけに見えてね 今なら不意を取れると思ったのだけれど……」 挨拶がてらに不意打ちという、えらく景気のいい内容を笑って話す妹紅 傷はすでに癒えている 輝夜と仲が悪い理由に繋がるが、不死の薬を飲んだらしく、実際どんな目に遭わされても死なないらしい 問題はフラガラッハだ━━私を狙った攻撃に自動的に反応し、後にて先んじる短剣 攻撃を放った本人を先に倒すことで攻撃を放った事を無かったことにする短剣 ついでに投げれば対象を地の果てまで追いかけ回す宝具 しかし、一発使い捨てである 「短剣だってタダじゃないのに……」 球体の中で一月掛けて精製されるため、数に限りが出来てしまうのだ 「それにしても、魔法使いってのは優秀だね 最近、ここを目当てにする妖怪が多かったが魔法使い以外は大抵、案内を求めてきたよ」
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