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────10分後。
「…………ふつくしい」
某KC社長の如く思わずポツリと呟いた私を、誰が責められよう。
見たまえ、目の前に広がる川を!
この大きさ! 清らかさ!
フハハハハ! 日本の廃れきったそれとは大違いなりぃぃ!!
なんか段々と自分のキャラが崩壊してきたので、そろそろ大和撫子宜しくな私に戻るとしよう。
まぁ……オタクですけどね☆
しかし本当に綺麗だなぁ、マジで飲めそうじゃん。
三途の川ってもっとドロドロしたどす黒い血みたいなイメージしかなかったんだけど……もしかして三途の川じゃないとか?
(まぁ……細かい事は後回し!)
とにかく、ここが三途の川か否かなんて今の私には波平さんが山川商事の課長という中途半端な出世しか出来ていないという事実よりどうでもいいことだ。
そう、まずは飲料水の確保。
これだけ澄んでたら飲んでも全然問題は無いだろう。
仮に死んでしまったら、その時は私はアンデット属性だったのかと落ち込むまでだ。
まぁ、脇道に逸れるのは止めて、川に入っちゃっても問題無くね?
飲むだけじゃ物足りなくね?
誰もいないし、おkでしょ。
私も疲れてるし……疲れ──
…………アレ?
「……全然疲れてない……?」
……待て待て、おかしいぞ。
この川を見付けるまで軽く10分全力疾走したのに、途中で何回か迷って立ち止まったとはいえ殆どトップスピードを維持した状態でここに辿り着いたのに。
多少の息切れや動悸の激しさだけ残して、身体から疲労だけ綺麗に飛んでしまっている。
うーん……不思議だ。
あの世って疲れないのかな?
まぁ、そう思っておこう。
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