狗猫曰く萌えよ鎖骨

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「うわっ、辰本君! ピストルの弾が切れた!」 「ハァ? じゃあ素手でやれ」 テラ無茶振り(笑) 相変わらずのドSっぷりですな! 弾を充填するくらい数秒で出来るけど、その数秒で集中的に狙われたりしたら厄介だしなぁ。 ……うーん、仕方無い。 一旦ピストルはホルスターに納めるとしよう。 「掛かってきな、犬畜生!」 ジョジョ立ちっぽいポーズで挑発してみると、野犬は大声を上げて飛び掛かってきた。 しかし……全然遅い。 これなら余裕で回避出来る。 加えて、私には野犬の『弱点』がどこなのかも分かる。 生物は基本的に、環境や生活感に適応するように進化を重ねる。 より暮らし易いように、より弱点をカバー出来るように。 それが進化のメカニズムだ。 つまり……この野犬の頭部に角が生えている理由は1つ。 弱点である頭部を守るため。 要するに私が言いたいこととは、主人公補正は最高ってことだ。 「スーパー狗猫キック!」 野犬の突進を楽に避け、そのまま勢いを利用して渾身の踵落としを頭部にヒットさせた。 野犬は短い悲鳴を上げ、その場にぐったりと倒れ込んだ。 さすがにそろそろ野犬達も危険を察知したのか、残っている数匹は慌てて森を走って逃げて行った。 「ふぅ、一安心一安心」 「まぁ……あんな雑魚犬に負けるわけ無いけどな」 確かに辰本君の言う通りで、結果だけを見れば無傷で野犬の群れを撃退したわけだ。 楽勝と言っても過言じゃない。 身体能力が高いって素晴らしい! 異世界愛してる!
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