狗猫曰く萌えよ鎖骨

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  「し、死にかけた……!」 「ほぼ死んでたもんね」 取り合えず溺れそうになっていた女の子を救出し、今は川辺の石に腰を下ろしている。 しかしこの子、パッと見だと性別判断に困りそうだなぁ。 短パンにシャツっていう飾り気の無い服装だし、髪も金色で短めでボーイッシュな雰囲気。 口調も何処と無く男勝りだし。 何より、つるぺったんである。 まだ発育途中だからだろうけど、あれ程のまな板だと全裸を見ない限り即断は出来なかった。 そう思わせる程の残念さだった。 ちなみに私はBだぜ☆ 「助けてくれてサンキューな! アタシは若葉(ワカバ)、お前は?」 「犬飼嶺子、地位は大佐だ。 もう1つ、焔の錬金術師だ」 「えっ? 錬金術!? そんなの本当にあるんだ!?」 どうやらこの世界の人間はスルースキルが身に付いてないらしい。 ドイツもこいつもアルゼンチンもマジレスしやがって! て言うか、こっちにも錬金術って言葉くらいはあるんだ。 まぁ片腕がオートメイルの兄弟は居ないだろうけど、さすがに。 「あーうん、それは置いといて。 若葉は何で溺れてたの? しかも全裸で服抱えてたし、何故着なかったのか激しく疑問だよ」 「そ、それは…………」 私が質問すると、若葉はシュンと肩を落として表情を曇らせた。 この様子……何かしら重い事情があるということか? 「森で迷ってたら川を見付けて、汗かいたから泳いでたんだけど、いつの間にか川辺に置いてた服が流されてたんだ。 ようやく見付けたと思ったら……足ツった上に川が深くて……」 馬鹿すぎる(笑)
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