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「や……やっと着いた！
辰本君、荷物半分持って……」
「ご苦労」
今朝に出発してから今現在までに辰本君が私に発した言葉、
「ご苦労」
のみ。
何これ！？
何の仕打ちだよ！？
主人公を虐めて楽しいか！？
人気投票で悲惨な結果になっても同情なんかしないからな！？
等々の諸々の不満は否めないが、それは一旦置いておこう。
私達３人の目の前に聳え立つは、数日前に立ち寄った村のそれとは比べ物にならないくらいに巨大で強固(多分)な門。
門番も３人居るし、関所の設備もパッと見だけでも差が見られる。
たった一目見ただけで、この街が如何にギルドにとって重要な拠点なのか容易に理解出来た。
──というのも置いといて！
私には１つ、どうしても許せないことがあるのだ！
「なぁ辰本さん、さっさと関所で手続き済ませようよ」
「おぉ、そうじゃな」
（…………）
納得いかねぇ……みなみけ二期の展開ばりに納得いかねぇ……
何で若葉が辰本君の相方みたいな感じになってるんだよ！
主人公兼ヒロインである私の席をまんまと盗みやがって！
奴はとんでもない物を盗んで行きました、私の立場です。
１日旅をして判ったことだけど、どうやら若葉は自分で物事を判断することに優れないようだ。
つまり、最後の決断を自分以外の誰かに委ねてしまう癖がある。
そんな性格なわけだから、自分で何でも判断出来る辰本君とは案外相性が良いのかもしれない。
…………え？
何これ、三角関係フラグ？
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