魔法少女いぬか☆ネコカ

6/15
前へ
/714ページ
次へ
その言葉が引き金になったのか、ずっと黙っていた辰本君が不機嫌そうな表情を携えて、ユッキーに一歩二歩と歩み寄る。 辰本君……思ったより短気ね。 あんな挑発、2chじゃROM専にも相手にされないぜ? 「喧しいのぉ……お前。 こっちは疲れとんじゃ、消えろ」 何かもう、アレだ。 言葉の重み?がヤバい。 都城王土かってくらいヤバい。 思わず跪いてしまいそうだ。 しかし、それに対してユッキー。 「オイオイ、逃げんのか? ハジメさんからはスゲー奴だって聞いてたんだけどなぁ、蓋開けて見たらただのビビりかよ?」 辰本君の怒気の込もった言葉にも全く怯まず、むしろ更に挑発してみせる余裕っぷり。 さすが最強(笑)……見た目はアレでも辰本君と同い年なだけある。 年齢は関係無いけど。 「……喧嘩売っとんのか?」 「喧嘩じゃねぇよ、テメーの腕を俺が測ってやるって言ってんだ」 「……後悔すんなよ、オイ」 途端に、空気が重さを増した。 2人の間合いは約1メートル。 近い、あまりにも近すぎる距離。 ほんの少し踏み込んでしまえば、そこはもう互いの縄張り。 「(い、犬飼……! 辰本さん大丈夫かよ!?)」 あっ、若葉いたんだ。 軽く空気だったから忘れてた。 辰本君……どうだろうか? 正直、辰本君が負ける姿が微塵もイメージ出来ないけど。 けど……ユッキーのあの口振り。 もしかして本当に、最強クラスの実力者なのか? ──その時、一方の影が動いた。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

945人が本棚に入れています
本棚に追加