魔法少女いぬか☆ネコカ

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左頬に素敵なガーゼをプレゼントされた後、私は金稼ぎに出掛ける辰本君を見送った。 いやーしかし、十中八九その辺で放置されるものと思ってたけど、まさかまさかの太っ腹っぷり! 身も心もイケメンか、辰本君は。 「はぁぁ……辰本さんスゲーな。 あの歳で落ち着きもあるしなぁ」 「それだけじゃないよー、若葉。 辰本君は喧嘩も強いんだから!」 隣で一緒に見送っていた若葉も、あのツンデレ具合には唖然。 うーん、頼りになるパートナーを持って私は鼻高々だ。 (※パートナーではありません) 「それはそうと、若葉はこれからどうするの? 街まで連れて行ってほしいとしか聞いてないけど」 「え? …………あー」 …………? 何やら返事に困っている様子。 やっぱり事情があるのかな? 自給自足してるって言ってたけど……まさか家が無い、とか? 「部屋、3人分取ろうか? ちゃんと頼んだら、辰本君も渋々許してくれると思うけど」 「いっ!? いやいや! アタシは大丈夫だから! ここまでで充分感謝してるよ!」 「…………そう? まぁそれならいいけど……」 なんか……引っ掛かるなぁ。 てっきり喜んで食い付いてくると思ってたのに、あの焦り方。 やっぱり何か理由が……? 「じゃ、じゃあ犬飼! アタシもう行くから!」 「んー……まぁ、元気でね!」 「おう、サンキューな! 辰本さんにも宜しくー!」 そう挨拶を交わすと、若葉は街をダッシュで駆けて行った。 何処と無く引っ掛かる言動だったけど……考えても仕方無いね。
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