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…………待てよ?
「ねぇユッキー、時間ある?」
「あ? まぁ暇だけど……」
ktkr!
思わぬ救いがあったよ!
「じゃあさ、街の案内を頼まれてくれないかな?
宿屋を探してるんだけど、この街広すぎて困ってたの」
見ず知らずの人に案内してもらうより、顔見知り(なのか?)であるユッキーに頼んだ方が、私も安心出来るというものだ。
そして、頼んだのはこの私。
言わずと知れた主人公。
私のこのお願いに対する返答は、誰が予想するまでもないのさ!
「嫌だよ、めんどくせぇ」
でしょうねー!
薄々だけど分かってたよ!
どうせ辰本君みたいに即答で拒否するんだろうなって!
そんなに私が主人公を気取ってるのが気に食わないか!
しかし、甘いぜユッキー。
ここで引き下がる狗猫ちゃんなど存在しないのだよ。
私には手に取るように分かる……ユッキーを巧く乗せるためには、この手段しか無い!
「4日前に九十九さんと会ったんだけどさぁ、その時に『街の方は俺の弟子がいるから安心だ』って笑顔で話してたよ?」
そう、おべっかである。
自分でも引くくらい卑怯な手ではあるけど、とにかく今は噛ませ犬の手も借りたいんだ!
でもユッキーも一応は大人だし、これは流石に無理かな……?
「そ、それマジか……!?
ハジメさん、そこまで俺を……」
食い付いてきたよコイツ。
「うん、マジでマジで。
優しくて出来た奴だって」
「まっ……まぁな!
何せ俺は最強だからな!」
「と言うわけで、道案内をお願いしたいんだけど……」
「おう、任せとけ!」
いやぁチョロいチョロい(笑)
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