狗猫は衰退しました

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  何も無い空間、白いのか黒いのかすらも分からない、でも辺りには点も線も存在しない空間。 そんな場所に今、私は在る。 まず確実に自宅ではない。 こんな無印を極めに極め尽くしたような装飾を施した覚えが無い。 (…………) あぁ……嫌な予感がする。 この展開は、もやし……違った、もしや……!? 「相変わらず一人言が達者だね、犬飼嶺子……」 ま た お 前 か ! 冒頭の2行目くらいから予想していたけど、そこは予想の斜め上を走っていただきたかった! そうです、コイツです。 今私の目の前には、全身が暗黒のストーカー野郎が立っています。 「……何用でございますか?」 「よそよそしい反応だね……用が無いと来たら駄目なのかい?」 「いや駄目でしょ普通」 用も無いのに夢の中に出没される私の身にもなってくれ。 「やれやれ……言っただろう? ここは君の夢の中だけど、同時に僕が干渉すべき空間でもある」 もう帰れよマジで、金払うから。 本当に何しに来たんだよ。 ふぅと溜め息を吐く自称神官(笑)ストーカー。 溜め息を吐きたいのは私だよ! 「まぁ……不本意だけど、会ってしまったのは仕方無いね」 「そういうことだ」 何でお前が威張ってるんだ……と言いたいが、それよりも聞きたいことが山程あるんだ。 良い機会だ、聞き出してやる。 「聞かせてもらうよ……アンタが知ってることを、全部」
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