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「すり抜けることは出来ないって……じゃあさっきのは何?
万華鏡写輪眼みたいな能力?」
「その万華鏡ナントカが何なのか知らないけど……根本的な部分を君は履き違えているよ。
『神官』は『神』じゃない。
君達が想像するような都合の良い力なんて備わっていないのさ」
成る程、解らん。
えーと……つまり簡単に言うと、神官はあくまで神に仕える立場であって、奇跡を起こしたりとかは一切出来ない、と。
いやいや、結局のところは最初の疑問に戻っちゃうじゃん。
何で私の攻撃はすり抜けたの?
それともググったら分かる的な?(※分かりません)
……だが、次にストーカー野郎が放った言葉は、私の予想を遥かに上回る衝撃を纏っていた。
「先の『すり抜け』は、僕だけが使えるものだよ。
君達と同様、現界で死を遂げ……異界に転生し……そして目覚めた1つの『能力』に過ぎない」
! ! ! ?
私達と……同じ……!?
「それ、本当なの……!?」
「嘘を吐くつもりは無い。
僕だけに限らず、神官という冠を持つものはただ1人の例外も無く『かつて人間だった』んだよ」
神官は、人間だった。
私達と同じように、各々の理由で死んで、飛ばされて、別の神官に『能力』を与えられた、人間。
そして、その過程を踏んだ人間が神官の仲間に加わる。
循環している。
バラバラな筈の点が、全て。
「つまり……私達が生まれた元の世界と、こっちの世界は──」
────『繋がっている』?
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