狗猫は衰退しました

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短パンにシャツという、飾り気の無いシンプルな服装。 短めの金髪。 ボーイッシュな顔立ち。 つるぺた。 つるぺた。(※大事な以下略) 私を襲った犯人は……私が銃口を向けている相手は…… 半日前まで行動を共にしていた、若葉だった。 「若葉……どうして?」 「……どうだっていいだろ。 そのピストル下ろしてくれ、もう襲ったりしねぇから」 『襲ったりしねぇから』……その言葉を辰本君に言われたいぉ。 I'm sorry。 って言うか、どうだっていいわけないじゃん。 こちとら襲われた側だぞ。 殺り逃げ未遂されたんだぞ。 無理矢理でも聞き出したいけど、若葉は話す気は無さそうだし。 そもそも、私を殺して若葉に何のメリットがあるんだろう……? 「……お前が何も話さんのなら、俺が代わりに答えたろか?」 しかし、四苦八苦している私とは対称的に、辰本君はもう既に事の目星を付けているようだ。 切れ者すぎて濡れるっ! 「辰本君……もしかして最初からこうなるって分かってたの?」 「……確証は無かったが、若葉のことは怪しいと思っとった。 『名前を聞いた瞬間から』な」 「早っ! 何で!?」 まぁ確かに全裸で川に浮かんでたシーンからある種怪しい奴だとは私も思ったけど。 そんな早い段階から今回の若葉の闇討ちを予想していたなんて……辰本君でも難しかった筈だ。 何せ、推察の素材が少なすぎる。 ここから辰本君の名推理タイムに入りまーす☆
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