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──知らなかった。
煙草なんて吸わないから、そんな銘柄があったなんて。
『わかば』
じゃあ、若葉は……
「……ここからは、もっと推測に偏って話すぞ」
そう言うと、辰本君は若葉の前でしゃがみこんだ。
「……お前は言っとったな。
『身寄りが無い』って。
多分それは事実じゃろうな。
何故そうなったのかは知らんが、ここで重要なのは……」
そこで一拍の間を置き、辰本君の口は再び動き出す。
ザ・ワールドの如く(※違います)
「お前が『自分の名前を知らん』ってことじゃ」
「っっ……!」
何……だと……!?
若葉が、自分の名前を知らない?
自分の名前を知らないから、若葉って銘柄をそのまま自分の名前として使っている、と……?
チラと若葉の表情を窺うと、目を見開いて驚いている。
成る程……図星、か。
「若葉、お前は弱い。
幹部として銘柄を貰うレベルにはまだ足りん筈じゃ。
にも関わらず、お前は『わかば』って銘柄を自分のものにしとる。
つまり……お前は身寄りは無いが『スモーカーズ』の一員として、誰かの傘下に入っとる。
その『誰か』は、下っ端に銘柄を与えられる程の影響力を持っとる組織内の要とも言える奴じゃ」
(…………)
さっきからずっと聞いてて思ったけど……辰本君凄すぎワロタ(笑)
ヤバすぎるでしょ何この推理力!
IQ180くらいあるんじゃね?
……若葉、何も言わないな。
認めちゃうんだね。
自分が『スモーカーズ』だって。
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