狗猫は衰退しました

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誰が…………って、んん? 今、辰本君変なこと言った? いや変なことって言っても下ネタとかそういうアレじゃ(ry 『あんな芸当』? 「辰本君、さっき『あんな芸当』って言ってたけど……どんな?」 その私の問いに対する、辰本君の回答は……これだ。 「……聞いて疑うなよ? 正直、俺も未だ信じられん」 「十数人の人間全員が『素手』で『首の骨を折られとった』」 「──~~!!?」 何でもいいから、とにかく言葉を吐き出したかった。 そんな惨劇、私だったら見ただけでも卒倒してしまうだろう。 今こうして耳で聞いただけでも、全身を悪寒が駆けたのだから。 でも、言葉は出なかった。 私が言葉を吐き出す前に、小さな『揺れ』を感じたからだ。 でもそれは、私が震えているとか震度3のショボい地震が発生したとか西野カナが近くにいるとか、そんな理由じゃなくて。 「あっ……あぁぁっ……!!」 ただ、私に押さえつけられている若葉が異常に震えているだけだ。 ガチガチと歯を鳴らし、ガタガタと体を震わせ、ダラダラと冷や汗を流し、若葉は恐怖している。 「若葉? どうしたの!?」 「おい、若葉……!」 さすがに様子の変化が極端すぎることに、私だけではなく辰本君も心配になった様子だ。 しかし……若葉が発した言葉は、確かな衝撃を秘めていた。 「2人とも、逃げて……! アイツが……『セブンスター』がすぐ近くまで来てる……!!」
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