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「ふーんふーん、成る程ねー。
まぁ死んだ理由とかは何であれ、やっぱりここって天国なんだ?」
何となく予想はしてたけど、少し拍子抜けというか……やはり気が滅入った感はあった。
自分と同じように故人が目の前にいるってことは、ここはそういう空間だってことの裏付けにもなる事実なんだから。
元の世界には戻れない、と現実を突き付けられたようだ。
もうアニメ観れないんだなぁ……
「……間違ってはないが、それは正解でもないぞ」
…………what?
「もう1回言ってみろ!」
「話しとる最中じゃボケ」
「失敬、続けたまえ」
「…………」
私が仁王立ちしながら悠々とした態度でそう言うと、辰本君は軽く舌打ちを鳴らした。
あぁ……私ウザいって思われてるっぽいなぁ……マリオのゲームで炎の海から飛び出してくる火の玉ばりに嫌われてるだろうなぁ……
「そもそも、ここは天国ちゃう。
お前は『この世界に居てる人間は余さず故人だ』って考えてるかもしれんが、んなことはなかった。
ちゃんとこの世界で生まれて生活してる人間も沢山おる」
「えっ……マジで!?」
「かれこれ2年以上は宛の無い旅しとるんじゃ、ある程度の情報は聞き回って手に入れた」
何こいつ、ただのDQN(笑)だと思ってたら、めちゃくちゃ頼りになりそうじゃん!
これはもしやアレ?
イケメンのパートナーと一緒に旅して苦難を乗り越えていくうちに『俺……実はお前のことが……』みたいな展開になる感じ?
ククク……上出来じゃないか……これが主人公の力か……!!
「今日から仲間だ」
「死ね」
一蹴されました。
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