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「………………犬飼」
「嬢ちゃん……何してんだ?」
え? 何してんだって?
決まってるじゃないスか。
ご覧の通り、お2人の間に割って入って仁王立ちしてるんですよ。
勿論、刺されるのは痛そうだから若葉の腕は押さえてるけど。
「立ち塞がる壁の物真似」
真似でもなんでもない件(笑)
とりあえずボケたら空気も和んでいくかなぁーとか考えてたけど、目の前の若葉は一層険しい表情になっちゃいました。
反省はしたくない。
「犬飼……どいて」
「だが断る」
「……どけ、邪魔なんだよ」
「だ が 断 る」
「どけって言ってんだろ!!
どかないとお前から刺すぞ!!」
「あぁ刺せるもんなら刺してみろこの断崖絶壁ツルペタ女が!!」
「嬢ちゃん、それ言い過ぎ」
後ろでオッサンが何か物申してるけど聞こえなーい。
いや、解らないわけじゃないよ?
若葉が凄く苦しくて、オッサンを殺したいくらい憎んでるって。
痛いくらいに理解は出来る。
ここで若葉がオッサンを殺せば、まぁ……この世界には警察なんて居ないし、若葉が法で裁かれたりすることは無いだろうし。
ギルド的にも私達的にも、むしろ好都合かもしれないなぁと。
──でも、駄目。
絶対に殺させない。
若葉の手は汚させない。
「私は『友達』が誰かを殺す瞬間なんて……見たくない!!」
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