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この部屋の広さが、目測でおよそ5メートルの正方形。
学校の教室より少し狭いくらいの広さだろうか。
2人分のベッドに机と椅子もあるから、やや窮屈に感じる。
加えて、部屋の暗がりに灯るのは1つのランプのみ。
闘うステージとしては最悪。
互いに条件は同じだが、果たして経験の差がどれだけ影響するか、それが一番のネックだ。
「……1つ、お前に聞いとくぜ」
セブンスターの言葉に耳を傾ける間も、注意深く観察を続ける。
武器を持っていない。
衣服のどこかに隠しているのか、或いは……俺と同じように素手で屈服させる自信があるのか。
後者の方が、厄介かもしれない。
「俺の仲間……パーラメントから定期報告が届いてねぇ。
てっきり『百面相』に殺られたと考えていたが……」
────ピリッ
氷を背中に這わされたような……僅かな悪寒が走った。
目の前の男の殺気が、じわじわと濃度を増していく。
「殺ったのは、お前か?」
「…………」
正直、どう答えたらいいのか結構本気で悩んだ。
倒したのは間違い無く俺だが別に殺してないし、てか自殺だし。
強いて言うなら、自殺させるまで追い込んだのは九十九か。
…………だが、まぁ。
「……そうじゃ言うたら?」
ここは、素直に煽っておくか。
その方が『楽しめそうだ』。
俺のこの返答に、セブンスターはニヤリと口角を上げた。
「 お ま え を コ ロ す 」
「 や っ て み ろ 」
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