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「何ボサッとしてんだ?」
(……っっ!)
その一言で、ハッと我に返った。
同時に、頭の中でループし出した『あるイメージ』。
血
俺
苦し
骨が折れ
吐血
痛
血血血血
死
「────ぁあっ……!?」
本当に……本当にただ無意識に、両腕を頭の前でクロスさせた。
その一瞬後に、腕を貫通して額を割ってくるんじゃないかと思える威力の蹴りが、ガードした両腕をミシミシと軋ませた。
頭の芯まで染み込む鈍痛。
もしガードが間に合わなかったら今頃、俺は……?
(さっき浮かんだイメージ……!
下手したら死んでいた……!?)
近い未来を予言していたかの如く湧き起こった『死』のイメージ。
心臓の鼓動まで聞こえる。
ドクドクと、異常に速い音色が。
(チッ……躊躇するな、俺!
このままだと殺される!)
最早、戸惑う隙すら惜しい。
『本気を出さない』なんて誓約に囚われていては、あのイメージが現実のものに成り得てしまう。
一先ず間合いを取りたいのだが、致命的なミスと言うか、壁際まで既に下がっているため、これ以上逃げられなくなっているのだ。
それでも容赦無く、セブンスターの猛追は襲い掛かってくる。
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