『鬼神』と『金龍』

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渾身の力を右腕に込める。 それを一気に……セブンスターの鳩尾に叩き込むっっ!! 「ふんっっ!!!」 「ッッがっ……!!」 ギリギリと、骨が悲鳴を上げた。 右腕が壁にぶつかる感触、それと同時に聞こえてきた短い声。 ……ただ、感触が弱い。 右腕が殆ど前に進まない。 簡単な話だ。 『ガードされている』。 タイミングでは確実に俺が勝っていたが、セブンスターは前傾から無理矢理ガードの態勢に立て直し防いできやがった。 骨の軋む音が聞こえてはきたが、多分折れていない。 鈍痛を与えた程度だろう。 攻撃がまるで届かない。 撃ち込む前に止められる。 これだけの力を込めても……? (っ……いや! まだだ!!) ハッ! 関係無い! 無理矢理止められたのなら、俺も無理矢理『止めない』! 俺の全開の身体能力が超えられるわけが、無い!! 「ッッ……!!?」 ほんの少し、右腕が前に動いた。 ガードされたのなら、ガードごと吹っ飛ばせばいい。 壁にぶち当たって進めないなら、そんな壁ぶっ壊してしまえ。 限界まで踏ん張れ。 限界まで腹に力を溜めろ。 限界まで拳を握り締めろ。 限界まで歯を喰いしばれ。 限界まで血を駆け巡らせろ。 目の前の敵を……砕くまで!!! 「アアアアアアアッッ!!!!」 自分でも経験したことが無い程に力を圧縮させた一撃は──強固なガードを貫通し、セブンスターの体を宙に浮かせ、背中を堅い壁に激突させるまでに至った。
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