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──とか、考えてる隙に……!
「次いくぞ、金髪ゥ!!」
(やっぱり……!)
だろうな分かってたよ!
またこっちの隙を突いて速攻してくるってことくらい!
何回も驚かんわ!
一歩で瞬時に間合いを詰められ、態勢を整える前にセブンスターの右拳が飛んできた。
踏み込んでから攻撃を放つまでの速さが尋常ではない。
ただ……やはり先程のダメージが響いているのか、本当に僅かだが遅くなっている。
一般人には分からないだろうし、どうせ避けれないだろうが。
今の俺なら……避けれる!
「うぉっ……と!」
相手の拳に合わせて上体を捻り、敢えてギリギリで回避した。
無論、反撃を仕掛けるために。
上体の捻りを利用し、右足を軸にして身体を一回転させる。
そのまま回転の勢いを上乗せし、右拳で裏拳を放った。
狙うは、奴のこめかみ……!
「ッつ……!?」
(! 今の反応は……!)
その時、セブンスターの挙動から少しの違和感が見られた。
上体を反らして俺の裏拳を避けるつもりだったのだろうが、その際表情が一瞬だけ歪んだのだ。
これは、まさに幸運。
背中の衝撃が、今になって痛みとしてセブンスターを襲った。
そのためか、先程までより反応が鈍く、回避運動も遅い。
これは逃さない……絶対に!
(このタイミング、貰った!!)
絶好の機会、完璧なタイミングで放った右の裏拳。
それがセブンスターのこめかみを確かに────捉えた。
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