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一歩踏み込んだだけでも、激痛が全身を支配する。
正直、仮に殴ったとしても自分で自分の攻撃の反動に耐えられるか分からない。
だが、そんな問題は後回しだ。
右拳を振りかぶる。
狙いは、セブンスターの側頭部。
この一撃を当てさえすれば、もう能力もへったくれも無い。
確実に、この闘いを終わらせる。
それ程の威力を込めたからだ。
(油断したな……クソがっ!!)
拳がセブンスターに着弾するまで……残り10㎝。
極った、今度こそ絶対に……!
────あぁ、そうだった。
これ、完全なフラグだな。
「……残念、だったなぁ」
拳の着弾地点……どころか、俺の前方にはセブンスターの姿すら、既に『消えていた』。
混乱が募る中、ターゲットであるセブンスターの声が『後ろから』飛んできた。
しかも、声量から察するにかなり近くまで接近されている。
「なっ……ぁぐッッ!!?」
直ぐ様振り向いてセブンスターの姿を確認しようとしたが、それが許される筈も無く。
声を発し終えるよりも数瞬早く、背中に強烈な衝撃が走った。
後ろから蹴られたのだ。
無防備な態勢で蹴られ、受け身を取ることも踏ん張ることも出来ず喰らってしまった俺は、顔面から前方の壁に激突してしまった。
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