走れユキト

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「カハッ! ハハハハハッ!! Dランクのクセに『最強』!? 笑わせるじゃねぇか、カハッ!」 「う、うっせーよ! 俺はマジで強いんだからな!」 いや、マジで! 確かに昼間は金髪にパンチ1発で吹っ飛ばされたけど、俺が本気になったら金髪とかアレだからな、もうギッタギタだからな。 あと目の前の田口、その笑い方が無性にイライラする。 率直に言うとキモい。 友達少なそうだなコイツ。 腹を抱えて大爆笑していた田口の笑い声が消えると、今度は見下すようなニヤけ面で睨んできた。 「で、最強クンよぉ。 支部長の『百面相』はどこだ?」 『百面相』? あぁ、ハジメさんのことか。 ちゃんと名前で呼べ名前で。 まぁ田口ごときが軽々しく呼んでいい名前じゃないけどな。 「ハジメさんなら留守中だぜ。 仮に居たとしても、お前なんかの相手するわけねぇけどな」 「そうか、居ねぇのか。 居たら俺がブッ殺してやろうかと思ってたが……居ねぇんなら他の雑魚共は皆殺しだな、カハッ!」 「皆殺し……ってことは、お前の仲間はもう街に隠れてんのか?」 それはちょっとヤバいな。 こっちも支部員と傭兵を集めたら20人は堅いけど、相手の規模が今一つ分からないし。 こうやって会話している中で何か情報を洩らしてくれたらいいが。 さすがにそれは望めそうも…… 「何だ、今になってビビったか? まぁいい、これから俺に殺される憐れなテメーだ、黄泉の手向けに聞かせてやろうじゃねぇか。 有り難く思えよ、カハハッ!」 真の馬鹿がここに存在した。
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