走れユキト

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何か知らないけど、田口が情報をベラベラと喋ってくれた。 曰く、この街に潜伏しているのは田口の部下15名とセブンスターだけらしい。 今回の目的はギルドの支部1つを落とすことで、邪魔をしない限り街の人達は襲わないと。 当初の予定では、セブンスターがハジメさんを殺し、田口の分隊が駐屯所を占拠する手筈だったが、セブンスターが別件で離れているから戻ってくるまで駐屯所付近で待機しているんだとか。 何だコイツ、めちゃくちゃ貴重な情報垂れ流しまくってんぞ。 よく幹部になれたなお前。 「カハッ! どうだ最強クン? もう取り返しのつかねぇとこまで事態は進んでんだぜ?」 ……確かに、少し考え物だな。 15名って数だけ聞けば多いとは思わないし、支部員だけで対処は出来るだろうが。 『セブンスター』 スモーカーズの大幹部の1人が、ハジメさんを殺すためにこの街に来るなんて……な。 少ない人数で来た理由も、1人で落とす自信があったからだろう。 「……で、セブンスターが離れたその別件ってのは?」 「カハッ、何だ気になるのか? まぁ心残りは少ない方が死ぬのも楽だろう、教えてやるぜ」 ノリノリだな、田口。 こっちは笑い堪えるのに必死だ。 「セブンスター様の配下には1人お荷物が居てなぁ。 『若葉』ってクソガキなんだが、どうやらセブンスター様は何故かそいつを気に掛けているらしい。 今はそいつを捜しに行ってらぁ」 (『若葉』……?) 確か……犬飼と金髪の後ろにいたアイツも『若葉』だった、よな? …………おいおい、思った以上にスリリングな展開じゃねぇか。
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