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──さて、スッキリと能力説明も出来たところで。
今の攻撃に臆して退いてくれないかなーとかも考えたが、どうやら田口はまだ諦めていないらしい。
幹部という立場上、逃げ出したら部下に示しが付かないだろうから当然といえば当然か。
しかも見たところ、鳩尾に連撃を喰らったにも関わらず、表情には余裕すら窺える。
ダメージこそ負ったものの、深手とまではいかなかったようだ。
「カハッ、やるじゃねぇか!
だが俺はスモーカーズ内でも一際タフな男として知られて──」
「ふんっ!!」
「ぐふっ!!?」
喋ってる隙に、今度は鼻に掌底を喰らわせてみた。
ジオン軍の機体っぽい声を上げて田口は後ろによろめいた。
鼻からは血を流している。
が、すぐに態勢を整えてニヤリと笑みを浮かべてきた。
何だよ、中々に堅いじゃねぇか。
「ククク、足りねぇなぁ!!
俺のタフさは一筋縄では──」
「せぃッ!!」
「どぅむっ!!?
……まっ、まだまだだなぁ!
俺は分隊随一のタフマンで──」
「オラァ!!」
「げるぐぐっ!!?
カハッ……弱い弱い!
こと堅さに関して俺に敵う──」
「どらぁ!!」
「ずごっぐぅ!!?
……いや、せめて語らせろよ!!
何さっきからピンポイントで顔面ばっかり喋ってる最中に──」
「ハァッ!!」
「びぐざむッッ!!?」
やべぇ、コイツ面白い(笑)
こんな感じで、軽く20発くらい顔面やら鳩尾やら殴って蹴ってを繰り返していたが、田口は未だに片膝すら落とさない。
成る程、自分でタフマンとか言うだけのことはある。
これは根比べになりそうだな……
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