狗猫の大冒険

6/14

945人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「お願い! 1発だけだから!」 「あのなぁ……たった1発だけで慣れる代物と違うぞ? そもそも扱い方も知らんクセに」 うわーやっぱり手厳しい。 まぁ予想通りの模範解答だけど。 っていうか──── 『人を見た目で判断するな』ってさっき言った筈だけどなぁ。 「……どうしても撃ちたいなら、1発だけじゃぞ」 「マジで? やったぁ!」 「とりあえず簡単に説明するぞ。 まずここに指を掛けて……」 「いいよ、大体は知ってるから」 「…………は?」 フフフ腐……まるで鳩がバスターライフル喰らったようなその顔、更に驚かせてやるぜ! まずは的っぽい何かを……よし、どうせ使えないんだし携帯電話を的代わりにしちゃおう。 私は鞄から携帯電話を取り出し、ポーイと空中に放り投げた。 続いて、すかさず早撃ちの要領でホルスターからピストルを抜き、ある程度の照準を定める。 「時の神の咆哮[ハイゾル・ランチャー]」 何となく響きが格好良さ気な技名を呟き(ここ重要)、タイミングを合わせて引き金を引いた。 ガキィンッ! 放たれた弾丸は携帯電話に直撃、昨日までの私の相棒はただの鉄屑へと進化(むしろ退化)を遂げた。 「やりぃ! ジャストミート!」 「お前……凄いな……」 ハッハッハ!! 見直したか私の力を!! シューティングゲームでこの私を越える輩など存在しない!! 『シューティングゲームの女神』の異名(自称)は伊達ではない!! ……いや、確か1回だけ同い年の男子に負けたっけ。 プロかってくらい上手かったなぁあの子、イケメンだったし。 銀色の剣のキーホルダーが印象的だったけど、そういえば名前とか聞いてなかったや。 うーん…………友情出演? いや、深く考えないでおこう。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

945人が本棚に入れています
本棚に追加