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「お願い! 1発だけだから!」
「あのなぁ……たった1発だけで慣れる代物と違うぞ?
そもそも扱い方も知らんクセに」
うわーやっぱり手厳しい。
まぁ予想通りの模範解答だけど。
っていうか────
『人を見た目で判断するな』ってさっき言った筈だけどなぁ。
「……どうしても撃ちたいなら、1発だけじゃぞ」
「マジで? やったぁ!」
「とりあえず簡単に説明するぞ。
まずここに指を掛けて……」
「いいよ、大体は知ってるから」
「…………は?」
フフフ腐……まるで鳩がバスターライフル喰らったようなその顔、更に驚かせてやるぜ!
まずは的っぽい何かを……よし、どうせ使えないんだし携帯電話を的代わりにしちゃおう。
私は鞄から携帯電話を取り出し、ポーイと空中に放り投げた。
続いて、すかさず早撃ちの要領でホルスターからピストルを抜き、ある程度の照準を定める。
「時の神の咆哮[ハイゾル・ランチャー]」
何となく響きが格好良さ気な技名を呟き(ここ重要)、タイミングを合わせて引き金を引いた。
ガキィンッ!
放たれた弾丸は携帯電話に直撃、昨日までの私の相棒はただの鉄屑へと進化(むしろ退化)を遂げた。
「やりぃ! ジャストミート!」
「お前……凄いな……」
ハッハッハ!!
見直したか私の力を!!
シューティングゲームでこの私を越える輩など存在しない!!
『シューティングゲームの女神』の異名(自称)は伊達ではない!!
……いや、確か1回だけ同い年の男子に負けたっけ。
プロかってくらい上手かったなぁあの子、イケメンだったし。
銀色の剣のキーホルダーが印象的だったけど、そういえば名前とか聞いてなかったや。
うーん…………友情出演?
いや、深く考えないでおこう。
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