狗猫の大冒険

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  「師匠に教えてもらった」 何故か銃弾がもう一発こめかみのすぐ横を走り抜けていった。 「ちゃんと言ったじゃんかぁ! 暴行罪で訴えるぞこのスケベ!」 「じゃあ真面目に答えろ。 てかまたスケベって言ったか?」 「だーかーらー!! 師匠に教えてもらったのー!!」 コイツ……信じてないな!? エスポワールに乗ってた石田さんばりに純粋で正直者な私の言葉を信用していないんだな!? しかし、どうやら私の態度を見て本当だと分かったのか、辰本君は溜め息を洩らしながらピストルをホルスターに収めた。 「…………それ、本当じゃな?」 「さすがの私でもピストルを前に冗談は言わないよ」 「そうか、すまんかった」 「悪いと思ってるなら私に鎖骨を差し出すがよ──ってアッー!! 痛い痛いマジで痛いってー!!」 ちょっと悪ふざけしただけなのに手首をこうグイって捻られた! どんだけカルシウム不足だよ! もっと牛乳に相談し(ry 「しかし……ピストルの扱い方を知っとるとは、怪しいのぉ……」 「女の子の関節を痛め付けといてスルーですか辰本君」 「他には何か教わったか?」 ヤバイよ、辰本君のスルースキルハンパないよ。 まぁ、今回は悪ふざけした私にも非があるし、許してやろう。 (※全てコイツが悪いです) 「もうね、文字通り色々だよ。 ピストルの扱い方、空手、剣道、合気道、外国の護身術、回避するタイミングとコツ、ナイフ投げ、手榴弾の扱い方、ピッキング術、プラモ制作裏技、人を苛立たせる言い回し方、ネットでのマナー、ナンパ撃退術、他にも────」 「いやもういい、俺が悪かった」 うん、そりゃ引くわな。
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