狗猫の喚く頃に ~轢き殺し編~

3/4

945人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
  ……………… ええ、分かってます。 私には分かってますとも。 これはそう── フ ラ グ で あ る と ! 女子高生+食パン+遅刻=恋愛 この法則は古今東西の至る場面で定石と化している、謂わば主人公故のお約束な展開! 自分で言うとナルシストみたいで気が引けるが、私は容姿に関してコンプレックスは殆ど無い。 そこそこ痩せてるし、清潔だし、顔面凶器(笑)でもない。 背丈と身体の起伏に関しては……うん…………察しろ。 とまぁそういうわけで、今の時代オタク=草食系などという等式は必ずしも通用するものではない、という事を覚えていてください。 ──などと、目に見えない誰かに説明しているうちに、当然の如く曲がり角が視界に映った。 ふっ……分かってるじゃないか。 このまま速度を保って曲がり角に突入したら、イケメン男子が私にぶつかってくるという展開だな。 そして何やかんやあって少しずつ仲良くなって恋人になるという。 何という私得! 神様ありがとう愛してる! どんなイケメンかな……やっぱり着物を着たオレンジ髪の死神代行みたいに強くて優しい人かな……それともベクトルを自在に操れる白髪の某一方さんかな……うん、どっちも悪くない。 微かにスイーツ(笑)臭が漂ってはいるが、そんなことは気に留めず曲がり角に差し掛かった。 (※これはファンタジーです)
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

945人が本棚に入れています
本棚に追加