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辰本君が早々とテントに引きこもってからも、私は後には続かずに焚き火に当たっていた。
夜の闇に染まった森を吹き抜ける冷たい風は、温かい火と混ざって心地好さを生み出している。
私は1人ぼんやりと考えていた。
この世界の成り立ち……果たしてこの世界はいつからあったのか?
古から自然に存在していたのか、はたまた何者かの意思に基づいて形作られたのか。
もし後者だとしたら、誰が、何の目的で行ったのだろう?
自分のため? 世界のため?
もしくは……自分にとって大切な愛する誰かのため?
その人物は、私達が神と呼ぶ存在なのかもしれないし、仮に違うとしても旧約聖書に記されたノアの一族のように神と何らかの都合で関わったのかもしれない。
だとしたら私は今、その神という強大で絶対な主君の掌で転がされ踊らされているだけなのか。
そうだとしても、私は────
↑みたいな厨二臭い事は1秒たりとも考えず、私の脳内にあるのはたった1つの疑問のみ。
私、どこで寝たらいいの?
パッと横を見てみた。
テントが1つ。
中で寝ているイケメン男子。
美少女ヒロイン(笑)私。
認め合った(※合ってません)男女2人水入らず(?)の旅。
まさか……まさか……!!
(一緒のテントで背中を合わせて寝るっていうのぉぉぉぉ!!?)
クッ……覚悟はしていたつもりだ……しかし、早すぎるっ……!!
これが主人公補正とヒロイン補正両方を背負う者の宿命か……!!
鼻血で出血多量で死ぬという歴代稀に見る恥ずかしい死に方を展開するかもしれないのだぞ……!!
どうする……狗猫っっ!!!
「迷うことは無い(キリッ」
よし、起きて怒られる前にサッと隣に寝転がっちゃおう。
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