それ行け! 若葉ちゃん

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ユッキーの文句を聞き流しつつ、背中に隠れて顔だけそっと出して牽制していると、お姉さん集団がやけにニヤニヤしながらこちらを見ていることに気付いた。 何だろう……ユッキーのズボンのチャックが開いてるのかな? (※違います) 「へぇー海山君、ユッキーなんて可愛いアダ名ねぇ(笑)」 「あーじゃあ、私もユッキーって呼んじゃおっかなー?」 「うっせーな、呼んだら殺すぞ! おい若葉、お前のせいだぞ! 人のアダ名を勝手に決めやがって……責任取りやがれ!」 「な、何でアタシなんだよ!? アダ名決めたの狗猫じゃんか!」 しかも責任取れとか何だよ! わけがわからないよ! ニヤニヤ顔のお姉さん集団に囲まれてユッキーとギャーギャー言い合っていると、どこからかこんな言葉が聞こえてきた。 「あらー……こう見るとお2人、結構お似合いなんじゃない?」 …………??? オニアイ? オニアイって……何? 言葉の意味がよく解らずキョトンとしているアタシとは正反対に、お姉さん集団はまたテンションを上げて騒ぎ出した。 「あー分かる分かるぅ! 確かにナイスな絵よねぇ!」 「海山君にもついに春が来たのね……お赤飯でも炊いちゃう?」 「ばっ……馬鹿かお前ら!? 何下らねぇこと言ってんだよ!」 「なぁなぁユッキー……オニアイってどういう意味だ?」 「お前ちょっと黙ってろ! あーもうお前ら全員騒いでないでさっさと持ち場に行けぇ!」 何で怒ってるんだよユッキー……ただ質問したかっただけなのに。 アタシ1人だけ置いてきぼりとかヒキョーだ。 仲間外れカッコ悪い。
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