945人が本棚に入れています
本棚に追加
「……と、無駄話はこれくらいにして、そろそろ仕事すっか」
何故か頭頂部に拳骨をプレゼントされた後、何事もなかったようにそう言ってのけたユッキー。
狗猫といいユッキーといい友達がイジメっ子ばっかりだ……
ユッキーがスタスタと歩き出したので、若干涙目で頭を擦りながらそれを追っ掛ける。
「なぁなぁユッキー、支部員って何をするんだ?」
「午前中は傭兵のクエスト受注の受け付け、午後からは各々ランクに見合ったクエストの処理。
一定のランクに上がれば地区内を転々と回されるが……まぁそれはまだ先の話だから気にすんな」
おー、思ってたより事務的。
細かい設定は忘れられてるものと思ってたのに。
(※メタ発言は控えましょう)
「へー……あっ! そうだ!
なぁユッキー、見て見て!」
「何だよ、いちいち……」
「じゃーん! ギルドカード!」
ポケットからFランクと書かれた自分のカードを取り出し、疲れた様子のユッキーに見せてみた。
当のユッキーはと言うと、非常にめんどくさ気な表情になった。
「どう? どう!?」
「あぁ…………で?」
リアクション薄っ!
せっかく見せたのに薄っ!
うん……いやまぁ、そりゃ普通はリアクションに困る、かな?
こんなカード、ギルドの人達なら持ってて当然だもんな。
でも、アタシにとっては──
「へへー、これがあればアタシもユッキー達と仲間だ!」
アタシにとってこのカードは……自分の居場所を形として残せる、大切な大切な宝物なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!