それ行け! 若葉ちゃん

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「……と、無駄話はこれくらいにして、そろそろ仕事すっか」 何故か頭頂部に拳骨をプレゼントされた後、何事もなかったようにそう言ってのけたユッキー。 狗猫といいユッキーといい友達がイジメっ子ばっかりだ…… ユッキーがスタスタと歩き出したので、若干涙目で頭を擦りながらそれを追っ掛ける。 「なぁなぁユッキー、支部員って何をするんだ?」 「午前中は傭兵のクエスト受注の受け付け、午後からは各々ランクに見合ったクエストの処理。 一定のランクに上がれば地区内を転々と回されるが……まぁそれはまだ先の話だから気にすんな」 おー、思ってたより事務的。 細かい設定は忘れられてるものと思ってたのに。 (※メタ発言は控えましょう) 「へー……あっ! そうだ! なぁユッキー、見て見て!」 「何だよ、いちいち……」 「じゃーん! ギルドカード!」 ポケットからFランクと書かれた自分のカードを取り出し、疲れた様子のユッキーに見せてみた。 当のユッキーはと言うと、非常にめんどくさ気な表情になった。 「どう? どう!?」 「あぁ…………で?」 リアクション薄っ! せっかく見せたのに薄っ! うん……いやまぁ、そりゃ普通はリアクションに困る、かな? こんなカード、ギルドの人達なら持ってて当然だもんな。 でも、アタシにとっては── 「へへー、これがあればアタシもユッキー達と仲間だ!」 アタシにとってこのカードは……自分の居場所を形として残せる、大切な大切な宝物なんだ。
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