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ずっと居場所が無かったアタシ。
そのアタシに、狗猫や辰本さんやユッキーや九十九さん……沢山の人達が、少しの勇気をくれた。
新しい居場所を与えてくれた。
皆がいなかったら、このカードもこの世に存在しなかった。
だからこのカードは、宝物。
皆との絆が詰まった大切な宝物。
「……ハァ、何言ってんだか」
そしてこの返答である。
うん、そりゃ返答に困るよな(笑)
何も知らない人から見たら完全にただの変な奴だし、今のアタシ。
あぁ……刺さる、刺さるよ。
ユッキーの氷の眼差しがアタシの豆腐メンタルに突き刺さるよ……
「アハハ……そうだよなぁ!
やっぱ馬鹿みたいだよな、こんなカード1枚ではしゃいでさ──」
「いや、そういう意味じゃねぇ」
「……?」
あれ、違うの?
てっきりカードを見せびらかしてはしゃぐアタシにドン引きしたのかと思ってた……
疑問符を浮かべながらユッキーを見ると、ユッキーはアタシに背を向けたまま、こう言った。
「その……アレだ、カードなんか持ってなくても、俺達もう立派な仲間じゃねぇかよ!
犬飼も、金髪も、そうだろ?」
『立派な仲間』
初めてそんな言葉を言われた。
自分を認めてくれる言葉なんて、今まで聞いたことが無いから。
そう言ったユッキーは、照れ隠しなのかガシガシと頭を掻きながら早歩きでドンドン進んでいく。
「……って、ユッキー速いよ!」
「うっ、うっせーな!
もう仕事の時間なんだ、お前こそもっと速く歩けよ!」
今なら、自信を持って言える。
『若葉としての自分を諦めないで本当に良かった』って。
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