番犬さんが通る

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「ぅー…………お兄ちゃん?」 「おはよう、琴里」 「ぉふぁよー…………えへへ」 未だ半分夢の中に浸かりながら、それでも不器用に笑いながら朝の挨拶を返してくれるマイラブリーシスター琴里ちゃん。 あああああああああ可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!!! 何この子食べちゃっていいの!? ……っと、落ち着け俺。 初登場から4ページで近親ルートに走ったら確実に読者が離れる。 (※メタ発言は控えましょう) ふむ、そろそろ股間の限界も近いことだし、凄まじく名残惜しいが部屋を出るとしよう。 「じゃ、お兄ちゃんはキッチンにいるからな。 朝食も出来上がってるから、早く着替えて準備しろよ?」 「ふぁぃ…………」 起きてから暫くは返事すら儘ならない朝に弱い妹です。 『可愛いは正義』……か。 この言葉を考えた奴は天才だな。 キッチンに向かうフリをして襖の隙間から着替えを覗こうかどうか結構真剣に迷ったが、今後の俺の評価に重大な支障を来しかねないと判断し、泣く泣く断念した。 15分後、着替えを終えた琴里と朝食を摂っているのだが。 「……琴里、どうした? 顔が暗いぞ、何かあったのか?」 「うん…………」 何処と無く元気の足りない様子でもそもそのんびりと箸を口に運ぶ琴里は、俺の問い掛けに小さく頭を縦に振った。 何だ何だ……? 確か昨日は始業式だったよな? 初っぱなから問題発覚か? 「友達…………『狗猫』が昨日、学校に来なかったの……」
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