狗猫といっしょ

6/8

945人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
さてさて、実況は私、犬飼嶺子でお送りいたします。 さぁ、まずはご覧ください! 四方八方どこを見ても木材だけで建てられた文字通り木造の小屋。 そしてその室内を見渡しますと、やはり机から椅子まで何もかもが木製でございますな! 鉛筆とか紙とかはありますが……まぁそれも木から作られてるからカウントしませんよ。 さすがの読者様もお察しの通り、私と辰本氏はこの小屋に強制連行された次第であります。 ほら見てください、椅子に座って腕を組み脚をトントンと揺さぶる辰本君の仕草を。 私が男だったらキャメルクラッチ喰らわされてましたね、確実に。 「あのー……辰本君?」 「…………」 「えっと……やっぱり、全面的に私が悪かったって言うか……少し浮かれてたって言うか……」 「…………別に気にしとらんわ」 嘘おっしゃい、バリバリに苛立ちオーラ放ってらっしゃるくせに。 「ホンットにごめんなさい! 代わりと言ったらアレだけど……下着くらいなら貸すから!」 「んな物騒なモン要らんわ」 「ぶ、物騒って言うなぁ!」 女子の下着なんか男子高校生なら月曜日のジャンプばりに気になる代物だろうに……辰本君ときたら言うに事欠いて『物騒』だと!? この(※自主規制)がー! 「アカンなぁ、いくら心の中でも『(※自主規制)』なんて、可愛い女の子が使う言葉ちゃうよー?」 「えっ……!?」 (…………!) その男の人は、私にも辰本君にも全く気付かれずに、いつの間にか『机の上』に座っていた。 しかも、然り気無く心読まれた。 地味にショック。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

945人が本棚に入れています
本棚に追加