945人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「────嶺子ちゃーん?
そろそろ元気出しぃや」
……ごめんなさい、九十九さん。
今の私に慰めは逆効果です。
だって私、落ち込んでますから。
「前章がたった7ページって……確実に作者ハショったでしょ……ちゃんと仕事しろよ……」
「あはは、ちょっと何言ってるかおにーさん解らへんなぁ」
「ですよねー(笑)」
いや、笑い事じゃないけど。
むしろ激昂するわ。
おっと、私と九十九さんの2人が今どこで話しているのか、やはり皆も知りたいであろう。
え? 知りたくない?
青汁でも飲んどけ!
勿論、あの安っぽい木造の小屋は1時間くらい前に出ている。
今はと言うと、この村ただ1つのパン屋さん(らしい)に来ている。
広さは大したことはなく、やはり木造ではあるけど、パンの匂いが食欲をそそる、和やかな雰囲気でとても心地好い空間だ。
そして……その空間の中には今、私と九十九さんと店員さんの3人しかいない。
辰本君が、いないんだ。
「……まぁ、アレやね。
アイツもちょっとくらい女の子を気遣ったったらえぇのにね。
うん、嶺子ちゃんは悪くないよ」
「うぅぅぅ……あの一夜の情愛は儚き夢だったのか……」
「えっ……嶺子ちゃん、アイツと何かシちゃったん……!?」
してません、してませんから。
ただの私の妄想ですから。
そんな鳩がコスモノヴァ喰らったような顔で見ないで。
何故、辰本君だけがいないのか。
話は1時間前に戻る────
最初のコメントを投稿しよう!