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────で、現在に至る。
まぁたった1ページで説明出来る程度のやり取りだったから大して重要視する必要は(ry
とにかく、何もそこまで落ち込むものじゃないだろう、と思われるかもしれないが。
それでも私はショックなんだ。
辰本君の言動にじゃなく、それに対して何も出来なかった自分に、苛立ちを感じた。
恋に恋する今時の中高生諸君なら理解してくれるだろうか。
言いたいことも言えず、ただただその場の流れに委ねるしかない、例えようも無いもどかしさを。
「はぁ……私、やっぱり辰本君に嫌われてるのかなぁ……」
狗猫ちゃんマジ乙女(笑)
嫌われる要素が有りすぎるだけに笑い事じゃないけど。
「……リュウはな、嶺子ちゃんを嫌ってるんと違うよ」
数分の静寂の後に、九十九さんが口を開いた。
「アイツはな、自分以外の誰かを信じたくないねん。
人と接するのを嫌がってるんや」
「……人間不信、ですか?」
「んー……ちょっと違うかな?
まぁあくまで俺の捉え方やけど、アイツは誰かと仲良くなることに怯えてるように見える」
つまり……人間不信と言うよりは人間恐怖症って感じか。
過去に何かあったのだろうか?
そういう心的障害は過去の経験に原因があるらしいし。
「……九十九さんって、辰本君の昔を知ってるんですよね?
て言うか、辰本君と九十九さんはいつ頃に知り合ったんですか?」
そう尋ねると、九十九さんは顔を少し寂しげに曇らせた。
「……ちょっとだけ、話そか?」
そう言って、フッと笑った。
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