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「じゃあ改めて……」
そう言って、九十九さんはスッと右手を差し出してきた。
無論、私もそれに応えガッチリと握手を交わす。
「宜しくね、嶺子ちゃん」
「はい、こちらこそ!」
やれやれ……一時は辰本君に放置プレイ喰らってどうなるのやらと心配したが、災い転じて福と成すとはこのことか。
どうだ諸君、畏れ入ったか?
こ れ が 主 人 公 だ よ
パートナーと道を違えても直ぐ様新しいパートナーを見付けられる究極の特権、主人公!
しかもこの九十九さん、イケメン優男に加えて頭脳明晰ときた。
言葉遣いや所作にも大人の色気がプンプン漂っておりまするよ。
「鎖骨鎖骨鎖骨鎖骨鎖骨──」
「嶺子ちゃん、願望洩れてる」
「サーセン」
おっと、危ない危ない。
今は妄想に耽っているより、先に情報の入手が最優先だ。
……と言っても、何を聞こうか?
聞きたいことがありすぎて、若干頭がこんがらがっチュレーションなのだが(意味不明)
「早速だけど、九十九さん。
辰本君にも聞いたんだけど……」
とりあえずは、この質問から。
「この世界って、どんな場所だと思いますか?」
「さぁ?」
私は勢い良く椅子から落ちた。
「おーナイスリアクション!
そこでパンチラサービスもあればおにーさん拍手しちゃう」
「そこまでベタじゃないです!」
「ほらほら、スカートめくって」
「めくらない!」
「えー、ガッカリやわぁ」
何で私がガッカリされたんだよ!
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