945人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「さっき『知恵を貸す側に回る』とか何とか言ってたクセに!」
「そう言われても、知らんモンは教えられへんしー。
そんな自己解釈で解答が分かれる質問されても困るわー」
くそぅ、あぁ言えばfor you……じゃない、あぁ言えばこう言う!
辰本君と違って喋りが巧いからか微妙に駆け引きが難しい。
「まぁまぁ嶺子ちゃん、そんなにハァハァしないで」
言い方がエロいわ!
確かに興奮してたかもだけど!
「第一、今更『この世界の存在』なんか疑っても、俺らだけで何か出来るわけとちゃうやろ?」
「まぁ、そうですけど……」
「とりあえず、おにーさんの話を聞いてみなさい、ね?」
「むぅ…………はーい」
結局、九十九さんのテンションに上手く丸め込まれてしまった。
なんか主導権を握られてる感じがして不満だなぁ……
だが、イケメンだから許す!
イケメンだから!!
「じゃあ……俺から嶺子ちゃんに質問があるんやけど。
この世界に来てから、身体に何か『異常』はあった?」
身体に異常……?
何故そんなことを聞くんだろう?
さてはそんなに私の肉体に興味があるのか?(※違います)
別に風邪とかもひいてないし……あ、そう言えば。
「途中で足を挫きました。
ほら、右足首の包帯のところ」
そう言って、九十九さんに自分の右足首の包帯をアピールした。
確か3日くらいで腫れが引くって辰本君が言ってたっけ?
じゃあ明日には痛みも──
「それ、まだ痛む?」
「えっ…………?」
全然……痛くない。
足を挫いてから、まだ1日経って無いのに……?
最初のコメントを投稿しよう!