狗猫のパーフェクトいせかい教室

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────瞬間、想像力の凄まじさには定評がある私の頭は、一気にトップギアで回転した。 『……全然疲れてない……?』 そう、つい昨日に放った言葉だ。 私もまだ記憶に新しい。 この世界に来て1時間も経たないあの時、私は『全力疾走』した。 そして、疲れなかった。 足場の悪い森の中を10分くらい走り回ったにも関わらず、疲労は本来達している筈の数値の半分も溜まっていなかった。 そして……今日の出来事だ。 私はこの村に、正門から入らずに木の柵を登って入ろうとした。 『背丈の倍はある丸太で組まれた木の柵』を、だ。 木登りの経験も無い(まぁそんなスキルいらないけど)女子高生が軽々とよじ登れる高さの柵では、決してなかった。 これらから推察されるのは── 「身体能力の急上昇……?」 「ピンポーン、大正解」 半信半疑で導き出した解は、的を射ていたらしい。 九十九さんがパチパチと手を叩き薄く笑っている。 「俺らみたいに飛ばされた人間は例外無く、元の世界で生きとった時より遥かに身体能力が高い。 腕力、脚力、瞬発力、反射神経、柔軟性、肺活量、治癒力、バネ、そういった人間のスペックが全て跳ね上がってるんよ。 まぁ、覚醒する期間や度合いには個人差があるけどね。 俺が今まで聞いた中では、1日で覚醒したケースは無かった。 嶺子ちゃんは相当レアかもよ?」 長い長い、そんな長い説明文じゃ読者に飽きられちゃうよ。 バキとかハンターとかも説明文で離れたファンがいるんだから。 でも……身体能力の上昇、か。 ずっと感じてた違和感の正体……これだったのか。
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