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その後も、私は九十九さんに質問攻めしまくった。
この世界のお金について、どんな交通機関があるか、旅用の備品はどこで集めればいいか、ラオウの北斗神拳はカイオウの北斗琉拳を本当に上回っているのか、九十九さんのスリーサイズは……等々。
うん、後半の2つは余計だった。
反省はしていません。
「────まだ他に聞いとくことあったら、遠慮しなや?」
「いやいや、もう充分です。
また何かしら疑問に感じたら質問させていただきます」
気が付くと、私達はパン屋の席で3時間は話し込んでおり、村人は晩餐の準備をし始めている。
無論、パンを食べて間髪入れずに夕食を胃袋に詰め込めるような、そんなキノみたいな腹ではない。
九十九さんに夕食を一緒しようと誘われたが、上記の理由で却下。
「んじゃ、おにーさん外で見回りしなあかんから。
寝る時は扉の鍵に気ぃ付けや」
「フン、その程度……赤子の首を捻るより容易いわ!」
「はいオッケー、おやすみー」
またスルーされた、てへ。
てか扉閉めるの早っ。
あっ、ちなみに私と九十九さんがどこで話しているのかと言うと、ギルドの人達が仮眠する時に使う駐屯所みたいな小屋だ。
当たり前のように木造だが、最早それには慣れてきたのでとやかく言うつもりはナッシング。
布団が1つ……つまり、必然的にこれは九十九さんが使用していた布団ということにっ!
ウホッ、これは良い布団!
(…………うぁ……なんか一気に疲れが出てきた……)
興奮状態に体が追い付いていない様子で、私は猛烈な疲労と睡魔に雪崩れるように襲われた。
とりあえず、寝よう。
明日のことを考える暇は……てかマジで九十九さんの布団で勝手に寝ていいのかな……?
あと最近コンビニでオーザックを見かけないけど────
布団に倒れ込んだ瞬間、それらの思考は一斉にストップした。
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