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「『本物の門番』どこ?」
そう言って俺は、懐のピストルを抜いて発砲した。
「はっ……!?」
と、門番の1人が理解追い付かぬ形相で地に膝を落とした。
落とす筈だ。
門番2人ともの両足を撃ち抜いたのだから、立てはしないだろう。
……いや、そもそも眼前の2人は『門番ですらない』。
門番に成りすました『誰か』だ。
本物の門番は、おそらく……
「うっ……うわ──」
「喋んな」
叫ばれそうになったので、爪先で顎を蹴り上げた。
騒がれたら面倒だしね、サクッと終わらせないと。
2人を大人しくさせるべく、頭にピストルの銃口を向ける。
「叫ぶな、動くな、構えるな。
ただ俺の質問だけに答えろ」
戦闘する際の理想は、究極2つに限られる。
1手で殺すか、3手で殺すか。
1手目で、相手の機動力を削る。
2手目で、相手の選択肢を可能な限り減らし、情報を巻き上げる。
3手目で、トドメを刺す。
無論、実力が拮抗した者を相手に上手くいく確率は低いが、これが理論上のベストと言える。
とりあえず……2人が黙ったのを見る限りは、2手目までは余裕でクリア出来たっぽいかな。
さて、そろそろ『覗く』か。
「んー…………オッケー。
自分らの名前、年齢、ここに来た目的『全部解ったよ』」
2人の表情が固まった。
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