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目の前の厨二野郎の性癖を頑なに否定していると、やれやれとでも言いた気な表情を浮かべている。
絵面は映えるのになぁ……これが俗に言う『残念なイケメン』か。
どうやら私は残念なイケメンとは何かと縁があるらしい。
「困ったなぁ……どう説明すれば君は納得してくれる?」
少なくとも、あんなストーカー臭漂う自己紹介じゃ不可能ですね。
「えっと……ここって私の夢の中なんですよね?
そろそろ目覚ましていいですか?
特に聞きたいことも無いですし」
何を聞いても私には理解出来ないだろうし、鎖骨も触ったし。
「…………まぁ、いいだろう。
また次の機会に現れるとしよう」
「鎖骨を堪能し終えたら速やかに去っていただけると有難いです」
さっきみたいな電波発言を何度も聞き流すスキルは私には無い。
こんなことなら師匠に『初対面の人を怒らせる話術』とかしっかり教えてもらうべきだった。
「じゃあ、私はこれで──」
「待ってくれ、最後に1つだけ」
(´・ω・`)しつけぇ……
「ごめんなさい……もうあなたと話すことなんて無いの……!」
何となく昼ドラみたいな雰囲気でフェードアウトしようとする私。
今度こそオサラバだ!
「……この空間で君と会うのは、今日で1度目。
そして……そう遠くない未来に、2度目が来るだろう」
お巡りさん、こっちです。
そろそろ然るべき場所に飛ばしてやろうか、と考えていると──
「その後……『3度目』の時に、君だけの『力』を与えよう」
………………え?
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