スーパー狗猫大戦

5/31
前へ
/714ページ
次へ
目の前の厨二野郎の性癖を頑なに否定していると、やれやれとでも言いた気な表情を浮かべている。 絵面は映えるのになぁ……これが俗に言う『残念なイケメン』か。 どうやら私は残念なイケメンとは何かと縁があるらしい。 「困ったなぁ……どう説明すれば君は納得してくれる?」 少なくとも、あんなストーカー臭漂う自己紹介じゃ不可能ですね。 「えっと……ここって私の夢の中なんですよね? そろそろ目覚ましていいですか? 特に聞きたいことも無いですし」 何を聞いても私には理解出来ないだろうし、鎖骨も触ったし。 「…………まぁ、いいだろう。 また次の機会に現れるとしよう」 「鎖骨を堪能し終えたら速やかに去っていただけると有難いです」 さっきみたいな電波発言を何度も聞き流すスキルは私には無い。 こんなことなら師匠に『初対面の人を怒らせる話術』とかしっかり教えてもらうべきだった。 「じゃあ、私はこれで──」 「待ってくれ、最後に1つだけ」 (´・ω・`)しつけぇ…… 「ごめんなさい……もうあなたと話すことなんて無いの……!」 何となく昼ドラみたいな雰囲気でフェードアウトしようとする私。 今度こそオサラバだ! 「……この空間で君と会うのは、今日で1度目。 そして……そう遠くない未来に、2度目が来るだろう」 お巡りさん、こっちです。 そろそろ然るべき場所に飛ばしてやろうか、と考えていると── 「その後……『3度目』の時に、君だけの『力』を与えよう」 ………………え?
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

945人が本棚に入れています
本棚に追加