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…………なんか、アレだね。
マッチョ三連星は5ページくらいかかったのに対して、ヤクザ顔は2ページで終わっちゃったね。
扱いの悪さに軽く泣けてきた。
頭の中で『マッチョ三連星>>>>>>>>>>干し肉>>>>>>>>>>[1000行略]>>>>>>>>>>ヤクザ顔』という絶対なる不等式が完成したところで、ついさっきまでヤクザ顔に絡まれ困っていた村の少年(多分)の顔にビッと指を向けた。
「さぁ少年、ここは皆のヒーロー狗猫ちゃんに任せときな!」
満面の笑みでそう言うと、少年はポカーンと開いていた口をフッと緩ませて、笑顔で返してきた。
おぉ……中々の美少年。
これは婦(腐)女子ウケしそうな。
「ありがとう、イヌネコ!」
そう言って、少年は足早に民家の集中している方へ去って行った。
うーん、良い少年だ。
こっちの世界に来て初めて普通の人に会った気さえする。
ちなみに、さっきから少年少年と言ってはいるけど、パッと見では私と同い年くらいである、ということを忘れないでいただきたい。
(※彼女は忘れてました)
さてさて、一難去ってまた一難と来たが、その難も何とか撃退してみせたわけで。
ほぼ勢いだけで小屋を飛び出してきたけど……どうもそこまで村を襲っている感じがしない。
もしかして、最初からターゲットは村じゃないのだろうか?
(……となると、やっぱり狙われてるのは村じゃなくて、ギルドの関係者……九十九さん?)
────その時だった。
「エックセレェェェェント。
中々に優れたスペックだぁ」
拍手の音と共に、男の声が鼓膜を震わせたのは。
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