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「────撃つな!」
「えっ……!?」
あとコンマ1秒……その声が私に届くのが遅かったら、ピストルは硝煙を上げていただろう。
そして最悪の場合、私はこの手で『人を殺していた』だろう。
『彼の声』のお陰で、かろうじて私はピストルの発砲を止めた。
「……そいつはモンスター退治のために貸したんじゃ。
人を殺すためには貸しとらん」
「…………辰本君」
後ろを振り向くと、そこに立っていたのは辰本君だった。
半日前と同じ服装、同じ呆れ顔で立っていた。
「辰本君……生きてたの?」
「空気を読め、そんで死ね」
サーセン(笑)
いやぁ、たったの半日振りなのに久しく思えるね、このやり取り!
なんかまた死刑宣告っぽい言葉が出てたけど気にしない。
「アハハ……私、何回も辰本君に迷惑かけてばっかりだね」
「……本当にな」
「ちょっ、そこは女の子を気遣うシーンでしょ辰本君!」
「知ったことか、クソオタク」
「辰本君ェ……」
このパツキンめ……毒舌の鋭さは変わらずってわけか?
こんな状況であるにも関わらず、辰本君……中々のドSっ!
…………ん?
『こんな状況』?
「ガァァァァル……このワタシを無視してトークに夢中かぁ?」
やべぇ、一瞬テリーマンの存在を完全に忘れてた(笑)
まぁ仕方無いよね、テリーマンと辰本君じゃガンタンクとサザビーくらいの開きがあるし。
ファンネルで一撃(笑)
……て言うか、辰本君はどうしてここが分かったんだろう?
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