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テリーマンは敵意と殺意を一気に剥き出しにして、あの刃仕込みのロッドを構えた。
九十九さんが自分の実力に自信があるのは分かった……けど、あのテリーマンも手練れだ。
一筋縄でいく相手ではない。
九十九さんの武器はピストル一丁だけだけど、飛び道具があるのはかなりのアドバンテージだ。
…………いや、違った。
そんなもの、アドバンテージでも何でもない。
テリーマンがピストルの対処法を知らないとは考え難い。
飛び道具を相手にしてもロッドで挑むってことは、つまりピストルにも臆していないってことだ。
防弾チョッキか……それとも弾丸そのものに当たらないよっぽどの自信があるか……何にせよ、苦戦するのは必至か?
「はーい、ストップストップ。
嶺子ちゃんも思考ストップね?」
だ、か、ら!
何故サラッと私の脳内に(ry
「ハッハァ、時間稼ぎか?
所詮ギルドなどこの程度の……」
「あぁゴメン、時間稼ぎどころか俺アンタとは闘わんから」
( ゚-゚ )←テリーマン
( д) ゚゚ ←私
(´_ゝ`)←辰本君
…………え?
誰かマヒャドでも唱えた?
「貴様……逃げるつもりか!?
ワタシを前にして逃亡など……」
「いや、そうでもなくてね?
アンタと闘うのは『俺じゃない』って意味なんやけど」
「…………ホワット?」
九十九さんじゃ、ない……?
じゃあ誰がテリーマンと闘うの?
そんな疑問の渦の中、九十九さんだけが笑顔だった。
それはとても、悪戯な微笑み。
そして……こっちに顔を向けて、九十九さんは言った。
「リュウ、お前やれ」
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