スーパー狗猫大戦

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「…………辰本君、強い……」 ポツリと、そう呟いていた。 いやいや、洒落にならんでしょ。 だってあのテリーマン、まぁ見るからに噛ませ犬キャラっぽかったけど、決して弱くはなかったよ? それを一撃って! 何あのデタラメなパンチ力! グラップラー辰本君なの!? 「……な? 心配無かったやろ? 身体能力でリュウの右に出る奴は多分どこ探してもおらんよ」 そう言った九十九さんは、とても満足気に笑っている。 まぁ確かにあのパンチ力を知ってたら、何の気兼ねも無く安心して闘わせられるだろうけど。 まず負けないだろうし。 …………あ、そう言えば。 「た、辰本君! さっき左の脇腹刺されたよね!? ほら傷見せて手当てするから! 消毒するもの無いから、代わりに私の唾液でもいいよね!?」 「よくないわ! 離れろ鬱陶しいな!」 畜生、どさくさ紛れで上着を脱がせる作戦も失敗したか! このシャイボーイめっ! 「いや、でも本当に手当てはしないと化膿とかするんじゃ……?」 「大した傷ちゃう、刃の先が少し刺さっただけじゃ。 これなら血もすぐに止まる」 (´ε`)ツマンネー まぁいっか、五体満足ならそれで万々歳ってわけで。 「リュウ、ご苦労さーん。 で、早速で悪いんやけどさぁ……『アレ』どうする?」 ニヤニヤ顔の九十九さんが指差す先には……幹部が倒されて手段を失ったスモーカーズの下っ端達がオロオロとしている。 えっ……何その笑顔、怖い。 それを見た辰本君は、顔色を全く変えないまま、言った。 「駆逐する」 「ハハッ、オッケー」 この2人は敵に回してはいけない……私は深く心に刻んだ。
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