謎の少年X

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  「やめたげてよお!」 テリーマン沈没から約3分。 目の前には惨劇が広がっていた。 テリーマンの後ろでワラワラしていた強面達の抵抗空しく、たった2人に蹂躙される始末。 ボッコボコに殴られるわビッタンビッタンと投げられるわで、もうただのイジメにしか見えない。 九十九さん、デスクワーク派だと思ってたけど、ピストルとか使わなくても素手でも普通に強い。 まぁ当然か、元警察官だしね。 ……で、さすがに見ていて居たたまれなくなったので、あの名言で止めに入ったわけです。 「ふー、まぁこんなもんやろ」 「いや、やり過ぎだと思います」 九十九さんのその笑顔が怖い。 8人薙ぎ倒して笑うってどうよ? 「いや九十九……さすがにこれはやり過ぎじゃ。 1人残らず気絶させたら、今回の件の尋問が出来んじゃろ?」 全く以てその通りだけど、一緒になって殴りまくってた辰本君には咎める権利は無いと思います。 むしろ辰本君の方が一発の威力は強かったような…… でも、どーすんのこれ? 漏れ無くノビちゃってるけど? 「あらら、困ったなぁ。 せめてコイツらが他に何人仲間を引っ張って来てるんかくらい把握しときたいなぁ……」 他に仲間ねぇ…………あっ! 「九十九さん九十九さん! ちょっと話聞いてください!」 「オッケー、明日聞くわ」 「いや今ここで聞けよ! 私、ここでテリーマンと会う前に5人倒して来たんですけど、多分まだ動けないままの筈です」 「おー、それマジで? 場所とかは覚えてる?」 「モチのロンです! あっ、何なら連れて来ますよ!」 よっしゃ、ようやく主人公らしい働きが出来るぜ!
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