2話…隠し事

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月の下。 闇夜に包まれている中、ポツンと赤い光が二つ浮かんでいた。 誰もいない公園の中で、赤い瞳を鋭く光らせていた。 どのくらい経っただろう? あぁ、面倒臭い。 そんな思考に駆り立てられ、私は凛と冷酷に佇んでいた。 暗黙、静寂、沈黙。 しかし闇の中で無数の影が蠢いていた。 こんな“人形”に付き合っている暇など無かった。 所詮は出来損ない。 月光にも照らされず、私はそれらを見下ろす。 ただ不気味に蠢く姿は人の形には見えなかった。 例えるなら無数の手。 手という解釈さえ間違っているのかもしれない。 けれど、そんなことはどうでもいい。 いや、はじめからどうでもいい。 「道を開けよ」 殺意を込める。 一瞬、それらは怯んだように下がった。 私は振袖から一枚の楓の葉を取り出す。 「二度も言うほど、私は優しくはありません。 この警告に対しての反応が違えたことにより、敵と判断し――」 楓の葉を口元に向ける。 「排除します」
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