148人が本棚に入れています
本棚に追加
結局俺はあの後保健室に向かい、早退となり、現在。
何が悲しくて、どうしてこんなことになっているのだろうか?
横には鬼百合が立ち、並んで歩いている。
というのも、学校を出た直後、
待っていましたと言わんばかりに、満面の笑みを浮かべた鬼百合楓が校門の前に立って手を振っていたのだ。
無言で通り過ぎようとも考えたのだが、彼女のお花畑オーラにツッコミを入れずにはいられなかったのだ。
そして現在、鼻歌を歌う鬼百合を傍らに下校しているのだ。
「で、いつまで付いて来るんだよ?」
「ん?それは地の果て、地獄の果て、いつ如何なる場所であろうと、火の中水の中、どこへだってついていきますよ」
「それはストーキングって言うんだぞ!?」
「そんな、私がストーキングなんてするわけ無いじゃないですか!?」
「現在進行形で行っている奴の台詞じゃねぇよな!?」
「いいえ、私はただ君のことが気になって気になって仕方が無かったんです!
それがどんな行動を生み出そうとも仕方ないじゃありませんか!?」
「それがストーカーだってんでよ!!」
もうコイツはきっと救いようが無い。
それにしたって、昨日会っただけの赤の他人がここまでするのだろうか。
確かに昨日の彼女の姿はあまりに綺麗だった。
だが彼女からすれば俺はただの凡人だ。
挙動不審だった気もする。
それでも彼女は笑っていた。
今だって楽しそうに笑っている。
だから、余計に分からない。
彼女が何を思い、何を考えているのか、全てが笑顔という仮面に隠れて分からない。
最初のコメントを投稿しよう!