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私の両親は商いをしていた商人だった。
父親は婿養子だった。
馬鹿で浅はかな女が権力と金で手に入れた男。
美しく女なのか男なのか傍目では分からないくらい中性的で綺麗な人だった。
私にはいつも微笑んでいた。
父親は不幸な人だった。
貧しい家族を助けるために婿養子になった。そして、病弱な上にか弱くて…
いつも死が付きまとっていた。
母親は裕福な商家に産まれ…金も権力もあるだけあった。だが、美人とはお世辞にも言えなかった。酷く歪んで…嫉妬深く。
母親は可哀想な人だった。
権力のみで捕まえた男は決して女を愛さなかった。表面だけで中身を愛してはくれなかったのだから。
誰か、母を理解してくれていた人は居たのだろうか?
誰か、父を助けようとしてくれた人は居たのだろうか?
あの時、私の存在を認めてくれた人は居たのだろうか?……
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